高齢ドライバーの安全対策

改正道交法が3月12 日に施行され、75 歳以上の高齢ドライバーの認知機能検査が強化されました。
75 歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故はここ10 年以上400件を超え、2016年は459件あり、全体の13・5%を占めています。
06 年には7・4%だったことからも、高齢ドライバーの安全対策は切迫した問題です。
88 歳の男性ドライバーの運転する軽トラックが小学生の列に突っ込んだ事故、76 歳の男性がカーブを曲がりきれずにセンターラインから飛び出し、対向車と正面衝突した事故、76歳の女性が病院のロビーに突っ込んだ事故もありました。
この高齢ドライバーが15 年に起こした458件の交通死亡事故を警察庁が分析したところ、運転者側の要因は、ハンドルの操作ミスやブレーキとアクセルの踏み間違いなどの「操作不適」が29・3%で最も多く、「安全不確認」23・1%、漫然と運転するなどの「内在的前方不注意」18・6%の順となっています。
事故の大半が昼間に発生し、単独や交通量の少ない場所での事故も多くありました。
認知機能検査は記憶力や判断力を測定する検査で、時間の見当識、手がかり再生、時計描画という3つの検査項目を受けます。
検査終了後に採点され、その点数に応じて、「記憶力・判断力が低くなっている(認知症のおそれがある)」、「記憶力・判断力が少し低くなっている(認知機能の低下のおそれがある)」、「記憶力・判断力に心配がない(認知機能の低下のおそれがない)」で判定されます。
検査の結果、「記憶力・判断力が低くなっている」と判定された場合は、警察から連絡があり、臨時適性検査(専門医による診断)を受けるか医師の診断書を提出することになります。
認知症であると診断された場合には、聴聞などの手続を経て運転免許が取り消されるか停止されます。
また、信号無視などの特定の交通違反をした場合も、臨時に認知機能検査を受けることになります。
高齢ドライバーの安全を確保するためには、車を運転しないようにすることが最も有効ですが、それでは買い物や病院へ容易に行くこともかなわず、途端に日常生活が不便になってしまいます。
全国の警察では高齢ドライバーが自主的に運転免許証を返納する「返納制度」を促しています。
改正道交法の施行から5月31 日までに、75 歳以上のドライバーによる運転免許の自主返納は5万6488件でした。
免許を自主返納した高齢者には、各自治体がバスや電車の運賃を割引するなどの支援を実施しています。
全日本指定自動車教習所協会連合会は「高齢運転者支援サイト」(http://www.zensiren.or.jp/kourei/return/relist.html)で、都道府県の支援情報を提供しています。

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